仕事を続けながら妊娠・出産・育児を迎えることへの不安を抱えながら、毎日を過ごしている従業員の方へ向けたパンフレットです。妊娠中又は育児中に利用できる様々な制度の内容が詳しく記されています。内容は以下のとおりです。

1. 妊娠が分かったら

できるだけ早く妊娠健康診査等を受けましょう。また健康診査等を受けるために時間が必要な場合は会社に申請しましょう。

〈健康診査の回数〉
・妊娠発覚~23週まで…4週間に1回
・妊娠24週~35週まで…2週間に1回
・妊娠36週~出産まで…1週間に1回

2. 母性健康管理指導事項連絡カードの活用

医師等から、妊娠中の通勤緩和、休憩時間の延長、つわりやむくみなどの症状に対応して勤務時間の短縮や作業の制限、休業などの指導を受けた場合は、母性健康管理指導事項連絡カードを活用し、会社に申請しましょう。
https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/000763976.pdf

3. 妊娠中の職場生活

・時間外労働、休日労働、深夜業の制限、変形労働時間制の適用制限

妊娠中は時間外労働、休日労働、深夜業の免除を請求できます。変形労働時間制が適用される場合も、1日及び1週間の法定労働時間を超えて労働しないことを請求できます。(労働基準法第66条)

・軽易業務転換
妊娠中は、他の軽易な業務への転換を請求できます。(労働基準法第65条)

・危険有害業務の就業制限
重量物を取り扱う業務、有害ガスを発散する場所等における業務については、妊娠中はもとより、全ての女性を就業させることが禁止されています。(労働基準法第64条の3)

4. 産前産後休業を取るときは

・解雇制限
産前産後休業の期間及びその後30日間の解雇は禁止されています。(労働基準法第19条)

・解雇の無効
妊娠中及び出産後1年を経過しない女性労働者に対してなされた解雇は原則として無効です。(男女雇用機会均等法第9条第4項)

5. 産前産後休業後に復職するときは

・育児時間
生後1年に達しない子を育てる女性は、1日2回各々少なくとも30分の育児時間を請求できます。(労働基準法第67条)

・母性健康管理措置
出産後1年以内の女性は、医師等から指示があったときは、健康診査等に必要な時間の確保を申し出ることができます。(男女雇用機会均等法第12条、第13条)

・時間外労働、休日労働、深夜業の制限、変形労働時間制の適用制限、危険有害業務の就業制限(労働基準法第64条の3、第66条)

・短時間勤務制度、子の看護休暇等(育児・介護休業法第16条の2、第16条の3、第23条)

6. 育児休業を取るときは

・育児休業制度
1歳に満たない子を養育する労働者は、男女を問わず、希望する時間、子どもを養育するために休業することができます。

・産後パパ育休制度(出生時育児休業制度)
育児休業とは別に原則として出産後8週間のうち4週間まで、2回に分割して休業することができます。

・パパ・ママ育休プラス
父母ともに育児休業を取得する場合は、子が1歳2か月に達するまでの間に父母それぞれ1年間まで育児休業を取得できます。

7. 幼い子どもを育てながら働き続けるために

・短時間勤務制度
事業主は、3歳未満の子を養育する男女労働者について、短時間勤務制度を設けなければならないことになっています。(育児・介護休業法第23条)

※令和7年4月からは、2歳未満の子を養育するために時短勤務をする場合に、時短勤務中に支払われた賃金の最大10%が支給されます。

・所定外労働の制限(残業免除)
事業主は、3歳未満の子を養育する男女労働者から請求があった場合は、所定外労働をさせてはならないことになっています。

※令和7年4月からは、対象となる子の範囲が小学校入学前までに拡大されます。

・子の看護休暇
小学校入学前の子を養育する男女労働者は、会社に申し出ることにより、年次有給休暇とは別に1年につき子が1人なら5日まで、子が2人以上なら10日まで、1日単位又は時間単位で、病気やけがをした子の看護、予防接種及び健康診断のために休暇を取得することができます。

※令和7年4月からは、感染症に伴う学級閉鎖や入園(入学)式及び卒園式の場合も取得可能となり、対象となる子の範囲が小学校3年生まで拡大されます。

・時間外労働、深夜業の制限
事業主は、小学校入学前の子を養育する男女労働者から請求があった場合は、1か月24時間、1年150時間を超える時間外労働、又は深夜業(午後10時から午前5時)をさせてはならないことになっています。(育児・介護休業法第17条、第19条)

・柔軟な働き方を実現するための措置(※令和7年10月から)
事業主は、3歳から小学校就学前の子を養育する労働者に対して、以下5つのうち2つ以上の措置を選択して講ずる必要があります。
① 始業時刻等の変更
② テレワーク等
③ 保育施設の設置運営等
④ 就業しつつ子を養育することを容易にするための休暇
⑤ 短時間勤務制度

その他、妊娠、出産、育児休業等に関するトラブル対応の内容についても記されています。

詳しい内容は下記URLを参照ください。
https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/001343776.pdf