ラーケーションとは

はじめに、皆さまは「ラーケーション」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。
ラーケーションは2023年に導入された仕組みで、学びを目的に、親子で休暇を取ることを意味します。
※ラーニング(learning:学習)とバケーション(vacation:休暇)を組み合わせた言葉

土日に休めない仕事についている方は、親子で休日が合わず、一緒にどこかへ出かけることが出来ないという悩みがあります。
実際に、総務省が調査した結果によると、土曜日に働いている人は45.5%、日曜日に働いている人は30.4%だそうです(総務省生活基本調査,2021)。

ラーケーションは、そんな悩みを解消すべく作られた仕組みです。
親子で休みを合わせることで、一緒に過ごせる機会を増やすとともに、平日に有給休暇を取る保護者を促進する狙いもあります。

参考:愛知県教育委員会(2023),ラーケーションの日
https://www.city.handa.lg.jp/gkkyoiku/learcation.html

ラーケーションには、子の学校側で制度を設けているパターンと、親の会社側で制度を設けているパターンがあります。

(a)子の学校側のラーケーション制度
公立学校(小・中学校、高校、特別支援学校)に通う子どもが学校を休み、保護者等と共に家庭や地域で探究の学びや体験・活動を自ら考え、企画実行できる制度です。
年3日までは取得が可能で、休んでも欠席扱いとはなりません。
現状は、愛知県内をメインに導入されています。

(b)親の会社側のラーケーション制度
日数や基準などの一貫した定義はありません。
義務でもありませんので、会社ごとに異なりますが、年次有給休暇とは別の特別休暇とすることが考えられます。
実際に、愛知県内の銀行では、パートタイマー2,585人に対して、ラーケーションを目的とした有給の特別休暇を付与した事例もあります。

ラーケーションはどのくらい知られているか

ラーケーションは愛知県を中心に、2023年3月に実行された制度です。
それから、約10か月が経過しましたが、一般にどのくらい知られているのでしょうか。

ラーケーションの認知度について調査したデータによると、なんと8割近くの人が、そもそも聞いたことがないと回答しました。
これを見ると、ほとんどの人に知られていないことが分かります。
今後、全国へ普及していくか、忘れ去られていくのか興味深いところです。


参考:いこーよ総研(2023),ラーケーションに関するアンケート調査
https://research.iko-yo.net/report/8961.html

一方で、どのくらい求められているかについてのデータもあります。
調査結果をみると、ラーケーション自体は、9割以上でポジティブな回答が得られました。
まだまだこれからの制度とはいえ、求めている人は多いことが分かります。

参考:いこーよ総研(2023),ラーケーションに関するアンケート調査
https://research.iko-yo.net/report/8961.html

休み方改革となるか

今回はラーケーションについてお伝えしました。
新たな休み方や学び方が促進されることが期待されます。

「家庭によって差が出て不公平だ」「子が休んだ授業を補えるのか」など、一部ネガティブな声もありますが、調査結果から、働いている親にとっては魅力的に思う人が多いかもしれません。

数年後には一般的な制度になるかどうか、今後の動きに着目です。


ラーケーションは、子・教員・親・親の職場・地域など、様々な立場によって賛否が分かれそうですね。全てが賛成ということは現実的ではないので、何を重視し、何をカバーするのか難しい問題だと思います。