今回は治療と仕事の両立について取り上げさせていただきます。
治療と仕事の両立を始める前に考えるポイントや困った時の相談先、社内制度や活用できる支援制度を解説いたします。
どこに相談すればいいか
病気などで治療が必要になった時、まず職場の上司などに相談し、業務の調整、職場内での配慮を相談してみましょう。また、病気や治療の理解は大切です。職場への病状の説明のためにも病院にも相談してみましょう。さらに、疾患に応じてサポートしてくれる相談窓口などもあります。
■職場
上司、上長、人事担当者、産業医等産業保健スタッフ
■医療機関
主治医、患者相談窓口
■その他相談窓口
産業保健総合支援センター、都道府県労働局、がん相談支援センター、肝疾患相談支援センター、難病相談支援センターなど
利用できる勤務制度と休暇制度の確認
職場によって、導入している勤務制度や休暇制度は異なりますが、主な制度として以下のものが挙げられます。
■働き方
時差出勤、短時間勤務、在宅勤務、試し出勤制度、フレックスタイム制度、通勤緩和
■休暇
年次有給休暇(1日、半日、時間単位で取得)、病気休暇
活用できる支援制度の確認
治療でお金がかかるだけでなく、これまでと同じように働くことが難しくなり、収入が減ってしまうこともあります。そんな時に医療費や生活費をサポートしてくれる制度がいくつかあります。
■治療費支援
高額医療費制度、限度額適用認定証、高額医療・高額介護合算療養費制度、確定申告による医療費控除、指定難病・小児慢性特定疾病の患者に対する医療費助成制度、肝炎患者(B型・C型)に対する医療費の支援
■生活支援
傷病手当金、障害年金
■その他
LGBT団体長期障害所得補償保険
治療と仕事の両立支援の流れ
ご本人の働きたい気持ちが固まったら、治療と仕事を両立するために必要な就業上の配慮を受けられるように、計画(両立支援プラン)を立てましょう。
そのためには、業務内容などの勤務情報と現在の症状や治療状況などの医学的な情報が必要になります。「勤務情報提供書」や「主治医意見書」と活用しながら、業務によって疾病が増悪することがないようプランを策定していきます。
ご本人が一人で抱え込んでしまうことがないよう、本ハンドブックを読みながら対話をして一緒に両立プランを作成していくことが大切です。
その他、詳しい説明は厚生労働省下記URLをご参照ください。
https://chiryoutoshigoto.mhlw.go.jp/download/#handbook
厚生労働省により公表されている「治療と仕事の両立支援ナビ」をいま一度ご確認いただき、従業員の方の健康確保やワークライフバランスの実現のためにも、両立支援について理解を深めておくことをおすすめします。