従業員に賞与を出した際には、健康保険・厚生年金保険に関する届け出を提出する必要があります。
しかし、この届け出の内容が2021年4月から変わりました。
今回はその変更点と注意するポイントについてお伝えしていきます。

これまでとの変更点

2021年3月までは、誰に何円出したのかという個別の内容が記載された「賞与支払届」と、全体での総支給額や人数が記載された「総括表」の2つをセットで出す必要がありました(賞与支給しない場合は総括表のみ提出)。

しかし、2021年4月から総括表が廃止され、新たに「賞与不支給報告書」が追加されました。
これにより、今後は賞与を支給した場合は賞与支給届のみを、賞与を支給しなかった場合は不支給報告書のみを提出するようになりました。

気をつけるべきポイント

賞与不支給報告書は賞与を実際に出すか/出さないかに関わらず、賞与支給予定月の前月に年金機構から郵送されます(厳密には、年金事務所に賞与支給予定月として登録している月の前月です)。
日本年金機構のサイトからもダウンロードできます

従業員へ賞与を支給する場合は、賞与支払届を支給後5日以内に提出します。不支給報告書は提出する必要がありませんので、破棄して大丈夫です。

誤解されやすい

先述した通り、今後は「賞与不支給報告書」という名前の書類が年金機構から会社や事務所に、賞与支給月の1ヶ月前に届きます。
変更点や届け出の仕組みをよく知らない人事や従業員がこれを見ると、「うちの会社は今期賞与支給されない(賞与不支給)のか!」と誤解しやすいです。
あるいは経営者でも、「うちは賞与を支給する予定なのに、”不支給”報告書が届いた!」と戸惑うケースもありえます。

☓ 賞与を出さない会社に届く
◯ 出す会社も出さない会社も両方届き、出さなかった会社のみ提出する

ということですね。
名前だと聞くと誤解しやすいので、気をつけましょう。